四段目

何を隠そう、私は神戸で生まれ、高校卒業まで神戸で生活していました。大学から東京に出て、もう東京でくらいしている年数のほうが長くなりましたが、自分自身のルーツは神戸にあると思っています。
住んでいたのは須磨で海に近かったです。今ではランニングブームで老いも若きも走ることに余念がないですが、中学背の頃は「持久走」と呼ばれ、体育で持久走をすると言われるとがっかりしました。その持久走の場が、中学からちかい須磨海岸でした。学校の方から走りだすと途中にもう使われなくなった赤灯台があり、そこが折り返し地点でした。今思うと、片道二キロもないくらいの距離でしたが、中学生にとっては足が砂にとられるし、とてつもなく長く感じられました。数年前に久しぶりに神戸を訪れる機会があり、須磨海岸にも足を伸ばしました。海の防波堤が少し大きくなったような気がしましたが、遠くに見える鉢伏山とそこにかかるロープウエイなどは昔と変わらない姿で懐かしく感じました。いまだと、その麓にある須磨浦公園くらいまでは走ってしまいそうですが。
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